昨夜の有様

 やがて、女中がお茶をもつて来て去ると、駿三が重々しい顔をしてはいつて来た。「一通り、今あちらの方は取り調べました。それで、このお宅で起つた事ですから、まず御主人たるあなたに、昨夜の有様を一応おききしようと思つているのです」 検事はこう云つて駿三の方を見た。「いや、そりや無論私の方から申し上げ...

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この若者の立派さ

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 私はこの若者の立派さに驚いたけれども、同時に、いつたい此の伊達という男は、秋川家とどういう関係になつているのかしらといぶからざるを得なかつた。 こうして秋川一家の人々と一間に並んでいるところを見ると、少くともこの家で客としての待遇を受けている人にちがいない。 こういう学生がこ...

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晴れ晴れとした顔つき

「ええ、私にはよく判りませんから……仏様におじぎだけして出て来ました」 いつのまにかひろ子はもう涙をすつかり拭いたと見えて、晴れ晴れとした顔つきになつていた。「では、こちらへおいでになりません? 父も妹もおりますのよ。御紹介致しますわ。あなたや藤枝さんの事も、もうこんな事がおこつてはかくしてもお...

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